インレットグローブについて

インレットグローブ・インテリアデザインスクールは、表面的な「和モダン」の作り方を教えるところではありません。日本の住まいが何百年も続いてきた根本の考え方—自然の素材の性質、空間の間、光と影の関係、季節の移ろいと暮らしのつながり—を、現代の住宅の中でどう活かすかを、丁寧に学ぶ場所です。

2020年に横浜で始まったこの学校は、都市部の小さな住まいでも、豊かで静かな生活が成立するのではないかという問いから生まれました。大量生産の家具や流行のスタイルを追いかけるのではなく、住む人が長く愛着を持てる空間を、自分の手で考えられるようになることを目指しています。

私たちの考え方の柱

素材の声を聞く

ヒノキは香り、和紙は光、石は温度を伝える。それぞれの素材が持つ性質を理解し、場所に合った使い方を考える。

間を残すこと

何も置かない空間が、住む人の心を落ち着かせる。必要なものだけを選び、余白を大切にする。

季節と共に生きる

夏の風、冬の陽、秋の光の角度。窓の位置、障子の使い方、植栽の配置で季節を感じられる家を。

身体で感じる

視覚だけでなく、足裏、掌、鼻、耳。空間は五感すべてで味わうものだということを、常に思い出す。

学ぶことの価値観

長く住むための設計

家族の変化や年齢の変化に耐えうる、根本の考え方を身につける。

自分の手で考える

既存のテンプレートを当てはめるのではなく、現場の条件と素材の性質から考える力を養う。

実践と理論の往復

座学で理解したことを、実際の素材に触れ、空間を歩きながら確かめる。

謙虚に学ぶ姿勢

伝統を「古い」ではなく「まだ活きている知恵」として受け止める。

講座の構成

基礎から応用まで、段階的に学ぶことができるように設計しています。すべてを一度に学ぶのではなく、自分のペースで深められる構成です。

基礎・全5回

住まいの根本を考える

日本の住まいの歴史的背景、気候風土と建築の関係、「間」の概念、素材の基本的な性質を学ぶ。机上の知識ではなく、実際に触れ、感じながら理解する。

素材・全4回

自然素材の特性と選び方

ヒノキ、杉、和紙、石、麻、漆喰など。産地による違い、経年変化の特徴、メンテナンスの実際を、素材に直接触れながら学ぶ。

光と影・全3回

照明と開口部の設計

自然光の取り入れ方、障子やカーテンの役割、人工照明の配置と光の質。夕方から夜にかけての光の移ろいを、実際に空間で体感する。

空間・全6回

各所の設計思想

リビング、寝室、食の空間、浴室、玄関、庭。部屋ごとに求められる性質と、全体のつながりをどう考えるかを、具体例を交えて学ぶ。

実践・全4回

自分の住まいを設計する

実際に住んでいる家、またはこれから住む家を題材に、受講生自身が計画を立てる。講師と他の受講生と議論しながら深める。

継続

卒業後の学び

卒業後も、定期的な素材見学会やオンラインでの相談会を続けている。実践の中で生まれる疑問を、仲間と共有しながら解決していく。

講師について

それぞれの分野で長く実践を重ねてきた人たち。理論だけではなく、現場で培った感覚を伝える。

佐藤 隆行

建築家・伝統構法研究

30年以上にわたり、京都・奈良の古民家再生と、現代の住宅における伝統技術の応用を手がけてきた。単なる復元ではなく、現代の生活にどう活かすかを常に問い続けている。

山田 恵子

木工職人・家具作家

飛騨高山で木工を学び、現在は横浜を拠点に、オーダーメイドの家具と建具を手がける。無垢材の乾燥、反り、経年変化を、実際に木を扱う立場から伝える。

中村 志穂

植物研究家・造園

都市部の小さな敷地でも、四季を感じられる植栽計画を専門とする。植物を「飾る」のではなく、空間の性格を決める要素としてどう位置づけるかを考える。

よくある質問

初心者でもついていけますか?

はい。住まいに興味があり、丁寧に考えたいという姿勢があれば、どなたでもご参加いただけます。専門用語もその都度説明します。

オンラインと対面はどのように分かれていますか?

基礎講座と座学中心の回はオンラインで可能です。素材に触れる回、実際の空間を歩く回は横浜の校舎または協力施設で開催します。

自分の家を題材にできますか?

もちろんです。むしろ自分の住まいを題材にすることで、学んだことが具体的に活きるようになります。賃貸の方も、将来の住まいを想定して計画を立てられます。

修了後のサポートはありますか?

卒業生限定のコミュニティと、年数回の見学会・相談会を続けています。実践の中で生まれる新しい疑問を、仲間と共有しながら考え続ける場です。